1日のうち、みなさんはどれくらい座っているでしょうか?
実は、長い時間「座ったままでいること」は、身体に負担がかかりやすい姿勢の一つと言われています。
また、座る姿勢は年齢に関係ありません。大人だけではなく、お子さんにもとても大切なものです。
慢性的な肩こり・腰痛をお持ちの方、座っているとお尻が痛くて座っていられなくなるという方だけでなく、「自分の身体に負担をかけない、歪ませない」ために、ぜひ一度見直して頂きたい「座り方」のポイントをご案内します。
座り方のポイントは、骨盤を立てる
当院では、最終的に、「痛みや辛さが出にくい身体作り」を目指しているため、いくつかのセルフケアやアドバイスをさせて頂いていますが、当院で一番最初にお伝えすることが多いのが、「負担のかかりにくい座り方」です。
1日のうち、1週間のうち、何時間も何十時間も取る座り姿勢が悪かったら…せっかく骨盤矯正しても、全身調整しても…、身体は元に戻ります。。
「骨盤矯正」に限らず、身体の調整を行った後は、この座り方を意識して頂くだけで、良い状態を維持しやすくなるだけでなく、「そう言えば腰が痛くなくなった」「仕事に集中できる」と仰る方もいらっしゃいます。
さて、座り方のポイントは……
大雑把に言うと、
骨盤を寝かさず立てる。
これだけです。
ポイントを5つご案内します。
- 前かがみで、お尻を椅子の一番後ろに置き、椅子に当たるお尻の骨=座骨(ざこつ)をそこに残したまま、身体をぐいっと引くように身体を起こすこと
- すると、座骨(ざこつ)の一番尖がっている部分より少し前の部分で座ることが出来ます(イラスト参照)
- 座骨の正しい位置で座る=恥骨に体重が乗ります。足の位置は、膝と直角か少し手前くらいの位置です。
- 力を入れる必要はないので、背筋を自然と伸ばす(無理に腰を反らさないように注意)と、頭や腕の重さがフッと軽くなる位置があります。その自然な良い姿勢と、骨盤を倒して背中が丸まった姿勢と、どちらが「軽く」感じるかを比べてみると、よく分かると思います。
- 身体に負担のかかりにくいこの姿勢が出来ていると、「足を上げようとしても、上がりにくい」状態にになります。もし、座った状態で、膝がお腹の近くまで上がるようなら、「骨盤が倒れている」「背中が丸まっている」証拠です。時々チェックしてみてください。
座骨の尖った位置が椅子の座面に当たり、座っているとお尻が痛いという方は、「骨盤が後ろに倒れている」状態なので、時々意識して座り直してみてください。
もし、長時間の作業等でなかなか姿勢を意識しきれない場合などは、椅子の背もたれと背中の間に厚めのタオルやクッションを挟んで、すき間を作らないようにすることで、骨盤が倒れないようにするのもお勧めです。
なぜ骨盤が倒れると良くないのか
さてここで、
背もたれのある椅子に、だら~んと寄りかかって足を前に投げ出した姿勢を思い浮かべてください。
その時の骨盤の状態=それが骨盤が寝ている=後ろに倒れている状態です。
こうなると、背中は丸まらざるを得ず、いわゆる猫背の姿勢になります。
実際にやって頂くとよく分かると思いますが、腰や骨盤周辺に体の重さがかかってくるのが分かると思います。
さらに猫背の場合、首が前に出て、大人で6kg以上もあると言われる頭を、首や背中の筋肉で支えなくてはならないため、肩こりや腰痛になりやすいのです。
さらには、深く息を吸おうと思っても肺が広がらず、深い呼吸がしにくくなるため、座っているだけなのに疲れるという状態に。
そして、骨盤を倒してお尻をベターッと椅子や床につけて座っていると、下半身太りの大きな原因にもなります。
当院でお尻の施術を行うことで、ほぼ全員の方のお尻のサイズが変わりヒップアップするのは、「普段の悪い座り方」の影響の大きさを感じます。
「骨盤矯正」という言葉はとても有名ですが、せっかく調整を受けても、1日のうちに何時間も骨盤を倒して座っていたのでは、元の良くない状態に戻そうと矯正をかけているのと同じだと思うと、何だかもったいない気がしていまいますよね。
仮に正しい姿勢であっても、「ずっと同じ姿勢でいること」は、身体にとっては、その姿勢を維持するために筋肉は常に働いている状態です。
10分ごと、30分ごとなど、1度立って座りなおしてみたり、深呼吸して身体を伸ばしてみたり、ぜひ身体を労わってあげてください。